村山 由佳さんの書かれるものはなぜか私の心を大きく揺るがす。
かつて「おいしいコーヒーの入れ方」のレビューを書いたが、その本を友人に貸したところ、友達も村山シンドロームになり(笑)、この本を購入、私に貸してくれたというわけだ。
本を書かれる方の文章力はすごい。
当然と言えば当然なのだが、面と向かって言葉で言われてもなかんか伝わらないような、もちろん文章でも伝えられない、まさに自己の体験からでしか認識できないであろうと思われる感情や心理を、文章によりありありと“体感”させてくれる。

こんな一文がある。

彼に嘘をつき続けるのが嫌って言うけど、ほんとは肩の荷を下ろして自分が楽になりたいだけなんじゃないのって。何から何まで正直に話せばいいってものじゃない。余計なことは言わないで上げるのが思いやりってものよ。世の中にはつき続けたほうが良い嘘もある。その嘘がどんなに辛くたって、それは、あなたが自分で選んできた人生に対して、あなた自身が背負っていかなきゃならない責任なのよ。

少しずれるが就職活動中に分かったことがある。

「自分を偽らないこと」と「全てをさらけ出すこと」は、ちがうということ。
この文章の状況では、自分を偽っていることになるのだが、要旨は同様と思う。

「全てをさらけ出す」ということは一見、相手に誠実であろうとする美徳に見えて、真実は極めて利己的な欲求に起因すること。

そして、誤解のないようにもうひとつ。

「全てをさらけ出せる」と「全てをさらけ出す」は、大きく異なること。

ありのままの自分でいられない恋愛なんて辛いだけ。なんて言うけど、じゃあ「ありのままの自分」が、お前にとって一番良い状態なのか?もっと良く変わることはないのか?

そのような台詞があるが、これもまた私の心に深く刻み込まれた。

月並みですが、多くの方に読んでいただきたい作家さんです。

以下秘文

格言。

2005年10月20日 読書
本当に幸福な人は自分と自分を取り巻く状況に対して本当に数多くの感謝の対象を発見できる  −佐藤富雄ー

心理学で有名な先生のお言葉。早稲田代の講師をしていた方です。自分はW大ではないので今も講師をしておられるかは分かりませんが^^;

飲み屋のバイトをしているとよくサラリーマンの方々が、上司やら部下やらの愚痴を言い合う場面に出会う。たかだかバイトレベルでも私のように職場の仲間に不満を感じるのだから社会人の皆様のそんな気持ちは痛いほど分かる。

でもこの格言を読んで、ハッとさせられた。

人の悪いところというのは黙っていても良く見える。これは職場に限らず、友達や恋人についても同じであろう。
悪口を言うのは簡単。でもそれを言って、自分はそうならないようにしようと、反面教師に出来る人間は少ない。
悪口を言っていても自分はすっきりするかもしれないが全体的には負のエネルギーに包まれる。
どんな人にも長所はある。それを見つけられる人間になりたいと思う。全体がバッシングに走っても、「でもこういう点は見習いたいなぁ」と言える人間になりたいなと。

人を嫌いになることは簡単であるけど、全ての人を嫌いにならないことはとても難しい。身の回りの多くのことに感謝して生きていくことが出来れば、苦手な人も少しはマシになるだろうし、それこそが幸せにつながるのかなと思う。
大学生のショーリ(勝利、かつとし)とその従姉(と言うことで育てられている)かれんの恋愛とその周辺の人間模様を描いた今では珍しい純愛の話です。みんながみんな互いを思いあって、でもそれゆえにすれ違いや切なさを生んで胸がきゅっとなる話で、大切な人を今すぐ抱きしめに行きたくなるような気持ちにさせてくれる本です。
学生と社会人の恋愛だし、男のほうが年下だしこれにもショーリに自分の姿を重ねてしまうのかもしれませんね(汗)
ある場面では、「こうすれば良いんだよ」と思いつつも、
他の場面では、「俺はここまで大人な対応を出来ないかもしれない」などいろいろ考えさせてくれる本で。文庫なんで500円とかで買えるのでぜひ読んで欲しいです。もちろん一巻から!(笑)

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