村山 由佳さんの書かれるものはなぜか私の心を大きく揺るがす。
かつて「おいしいコーヒーの入れ方」のレビューを書いたが、その本を友人に貸したところ、友達も村山シンドロームになり(笑)、この本を購入、私に貸してくれたというわけだ。
本を書かれる方の文章力はすごい。
当然と言えば当然なのだが、面と向かって言葉で言われてもなかんか伝わらないような、もちろん文章でも伝えられない、まさに自己の体験からでしか認識できないであろうと思われる感情や心理を、文章によりありありと“体感”させてくれる。

こんな一文がある。

彼に嘘をつき続けるのが嫌って言うけど、ほんとは肩の荷を下ろして自分が楽になりたいだけなんじゃないのって。何から何まで正直に話せばいいってものじゃない。余計なことは言わないで上げるのが思いやりってものよ。世の中にはつき続けたほうが良い嘘もある。その嘘がどんなに辛くたって、それは、あなたが自分で選んできた人生に対して、あなた自身が背負っていかなきゃならない責任なのよ。

少しずれるが就職活動中に分かったことがある。

「自分を偽らないこと」と「全てをさらけ出すこと」は、ちがうということ。
この文章の状況では、自分を偽っていることになるのだが、要旨は同様と思う。

「全てをさらけ出す」ということは一見、相手に誠実であろうとする美徳に見えて、真実は極めて利己的な欲求に起因すること。

そして、誤解のないようにもうひとつ。

「全てをさらけ出せる」と「全てをさらけ出す」は、大きく異なること。

ありのままの自分でいられない恋愛なんて辛いだけ。なんて言うけど、じゃあ「ありのままの自分」が、お前にとって一番良い状態なのか?もっと良く変わることはないのか?

そのような台詞があるが、これもまた私の心に深く刻み込まれた。

月並みですが、多くの方に読んでいただきたい作家さんです。

以下秘文

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